GPCI-2025 金融センター
GPCI-Financial Centers(世界の都市総合力ランキング - 金融センター)では、グローバルな金融システムの中で各都市が有する国際金融センターとしての特徴や強み・弱みを明らかにするために、世界の都市総合力ランキング(GPCI)の6分野(経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセス)に、「金融」分野を加えた合計7分野で、国際金融センターとしての競争力を複眼的に評価し、順位付けを行った。
「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)は、国際的な都市間競争において、人や企業を惹きつける“磁力”は、その都市が有する総合的な力によって生み出されるという考えに基づき作成されたものである。GPCIでは、世界の主要都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で複眼的に評価し、順位付けしている。GPCIは、順位そのものだけでなく、ランキングの構成要素を分析することで、変わりつつある世界の中で、各都市がどのような強みや弱み、課題を有しているのかを詳細に把握することができる。


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1位のロンドンは総合スコアを落としたものの、2012年からトップを維持し続けている。文化・交流分野、交通・アクセス分野では1位を、経済分野、研究・開発分野では2 位を堅持している。居住分野、環境分野では順位を大きく下げたが、「緑地の充実度」で1位を獲得するなどポジティブな変化も見られた。

2016年から9年間3位が続いた東京は、経済分野の順位が低下しているものの、昨年に続く大幅なスコア増を見せ、GPCIの調査開始以来、初めてニューヨークを抜き2位の座についた。居住分野が1位となったほか、「ナイトライフ充実度」で1位を獲得した文化・交流分野は初の2位に、また環境分野が7位に上昇するなど躍進を遂げた。

全都市の中で最もスコア下落の大きかった3位のニューヨークは、2012年から保ってきた2位の座を退く結果となった。特に「物価水準の低さ」が最下位となった居住分野や、「気温の快適性」が悪化した環境分野の低迷が目立つ。一方「上場株式時価総額」や「研究開発費」ではトップを独走し、経済分野、研究・開発分野では引き続き1位を維持している。
GPCI-2025 スタートアップ・エコシステム
GPCI-Startup Ecosystems(世界の都市総合力ランキング- スタートアップ・エコシステム)では、世界主要都市を1つの「スタートアップ・エコシステム」と見たときの各都市の特徴や強み・弱みを明らかにするために、「世界の都市総合力ランキング(GPCI)」の6分野(経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセス)に、新たに「スタートアップ」分野を加え、世界主要都市の競争力を評価し、順位付けを行った。


『世界の都市総合カランキング2025 概要版』では、総合ランキングや分野別ランキングの解説や、指標の一覧と定義、アクター視点評価などを掲載しています。

2026年1月15日 発行予定
日英併記
書籍版:20,350円(本体価格18,500円)
PDF版:16,500円(本体価格15,000円)
「世界の都市総合力ランキング 2025」の調査方法、今年の結果の分析、都市別のデータ、指標の定義や出典などの詳細は本書をお求めください。
「世界の都市総合力ランキング(GPCI)」に関するお問い合わせは iusall@mori-m-foundation.or.jp まで
世界の都市総合力ランキングの詳細な調査結果は、概要版およびYEARBOOKをご覧ください。概要版は、下記よりPDFのダウンロードが可能です。YEARBOOKは、GPCIの調査方法、データ・ソース一覧、各都市のスコア・順位の分析などを掲載しています。
Comments from Key Urban Leaders
江戸から続く伝統と現代の感性が共存する東京の多彩な魅力は、海外から多くの旅行者を惹きつけています。東京では、寿司などの伝統的な和食や、世界中の「食」を楽しむことができ、ナイトタイム観光を象徴する都庁舎プロジェクションマッピング、江戸時代の浮世絵から続くアニメや漫画、伝統芸能である歌舞伎や相撲などの「エンターテインメント」も世界を魅了しています。
また、犯罪やテロのリスクが少なく、落とした財布がそのまま戻ってくる、世界に誇る治安の良さや、ゴミが少なく清潔に保たれた街並みなど、東京の快適な都市環境は大きな魅力です。そして、優れたGX技術をはじめとする豊富なポテンシャルを有し、世界を代表する金融市場の存在やスタートアップなどの分野における企業の集積も、新たな経済成長の可能性を一層高めています。
さらに、気候変動の影響も一層深刻化する中、様々な都市活動の土台として、人々が安心して日々の生活を営むことができるよう、あらゆる危機への備えを徹底的に強化したレジリエントな都市づくりを進めています。
時代の激動の只中にあって、東京は、東京2020大会、世界陸上、デフリンピックが改めて示した「人」の無限の可能性を活かし、集積する知恵と発想を活かしながら、誰もが自己実現を追求し幸せを実感できる都市の実現に向け、更なる高みを目指してまいります。
小池 百合子
東京都知事
ソウルは、革新と前進という固有のDNAによって駆動される都市であり、急速に変化する世界の中にあっても自ら推進力を生み出す、独自のダイナミズムを備えています。最先端技術と活気ある文化的エネルギーが融合することで、Kカルチャーの世界的な拡大を後押しし、ソウルの国際競争力を支える強力な原動力となっています。
今日の世界は、気候危機、人口構造の変化、そしてAI時代の到来によって、深い変革のただ中にあります。「弱者に寄り添うこと」を中心的価値に据え、ソウルは市民の生活を守り、変化の時代においても持続的で強靱な成長を実現しています。同時に、ライフサイクルに応じたケアと福祉、住宅の安定、モビリティ改善などを通じて日常生活の基盤を強化するとともに、不便を生む規制の改革やAIなど未来産業への先見的投資を進め、危機を新たな前進の機会へと転換しています。
これからのソウルは、住宅、安全、健康、福祉、文化など、日常生活を形づくる本質的な基盤をさらに強化し、変化の時代においてもすべての市民が公平な機会を享受できる、人中心の包摂的な都市の実現を目指します。最高価値である「公共への信頼」のもと、ソウルは引き続きグローバル舞台でより高い競争力を備え、「市民が幸せなソウル」へと成長し続けます。
GPCIが提供する示唆は、ソウルがこのビジョンを行動へと移し、真に未来志向の都市へ前進していくうえで重要な羅針盤となるでしょう。
呉 世勲(オ・セフン)
ソウル市長
ドバイが思い描く未来の都市のビジョンは、人、文化、イノベーションこそが真の進歩の原動力であるという信念に根ざしています。明確かつ意欲的な戦略に導かれ、ドバイはアイデアが加速し、多様なコミュニティが発展できる都市として進化し続けています。
グローバルな才能を惹きつけ育成する能力、最先端の分野への投資、そして世界クラスのインフラ構築は、機会と創造性のための世界有数のハブとしてのドバイの地位を強化しました。
都市が急速な技術変化と生活の質に対する新たな期待の時代を進む中で、ドバイは機敏で包摂的な都市環境を形作ることに引き続きコミットしています。私たちは文化的な活力、持続可能性、デジタルトランスフォーメーション、そして経済的な競争力を優先し、ドバイがインスピレーションを与える都市であることを保証します。
今後も、グローバルなコラボレーションを推進し、新興産業を支援し、イノベーションと文化が一体となって次なる都市の卓越性を形作る活気あるエコシステムを育んでまいります。
シェイカ・ラティファ・ビント・ムハンマド・ビン・ラシード・アル・マクトゥーム殿下
ドバイ文化・芸術庁長官、ドバイ首長国執行評議会委員、ドバイ評議会委員
ベルリンは自由と寛容の都市であり、世界に開かれた場所です。およそ190の国籍を持つ人々がこの都市に住み、近年、ベルリンはスタートアップにとって傑出した拠点へと発展しました。世界中から多くの若者が、革新的な企業を設立するためにベルリンへやって来ています。
これらのスタートアップは、デジタル変革、モビリティ、エネルギー、ヘルスケア、そして環境産業といった分野で地盤を固めています。ベルリンはすでにドイツのフィンテック(FinTech)の首都であり、起業家が新しいアイデアを展開し、市場で確立するための素晴らしい機会を提供しています。
私たちの目標は、ヨーロッパでナンバーワンのイノベーション拠点となることです。そのために、私たちは今後数年間で、教育と研究、環境・気候対策、モビリティの分野に数十億ユーロを投資する予定です。ベルリンでは、常に新しいアイデアを歓迎しています。
カイ・ウェグナー
ベルリン市長