「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)は、国際的な都市間競争において、人や企業を惹きつける“磁力”は、その都市が有する総合的な力によって生み出されるという考えに基づき作成されたものである。GPCIでは、世界の主要都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で複眼的に評価し、順位付けしている。GPCIは、順位そのものだけでなく、ランキングの構成要素を分析することで、変わりつつある世界の中で、各都市がどのような強みや弱み、課題を有しているのかを詳細に把握することができる。
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トップ3都市の順位変動はなかったものの、偏差値の変動で比較すると1位のロンドン、2位のニューヨークが東京とパリを引き離す結果となった。7位のベルリンは経済や居住、環境の分野でスコアを伸ばし、ソウルと入れ替わりで順位を1つ上げた。トップ10都市の中で昨年から唯一顔触れが変わったのが上海で、5つの分野でスコアを伸ばし、大きく躍進した。
ロンドンは9年連続で1位となり、今年は偏差値でみると他の都市を大きく引き離す結果となった。環境を除く全分野においてトップ10入りをしており、特に交通・アクセスにおいては2つの指標で1位を維持したことに加えて、4指標において昨年からスコアを伸ばしたことで首位となった。2位の経済においては、1位のニューヨークとの差をさらに広げられたが、総合力では、文化・交流を筆頭に安定した強さを誇っている。
ニューヨークは今年も経済が強く、「従業者数」や「ビジネスサポート人材の多さ」でスコアを伸ばしたほか、「ワークプレイス充実度」では順位が1位に上がった。研究・開発、文化・交流でも上位を維持した一方で、交通・アクセスでは「タクシー・自転車での移動のしやすさ」や「渋滞の少なさ」において評価を下げたことで順位を落とし、3位の座を上海に譲る結果となった。
総合3位を維持した東京は、昨年に引き続き全分野において安定した強みをみせるとともに、環境と交通・アクセスでは順位を上げた。唯一順位を落とした居住では、「働き方の柔軟性」や「社会の自由度・平等さ」でスコアを落としたことが要因となっている。一方、3位を維持した研究・開発においては、「学力の高さ」で順位を落としたものの、「スタートアップ数」では高い順位を得ることができた。
『世界の都市総合カランキング2020概要版』には、総合ランキングや分野別ランキングの解説や、指標の一覧と定義、アクター視点評価などを掲載しています。
2021年1月15日発行
日英併記
書籍版:20,350円(本体価格18,500円)
PDF版:16,500円(本体価格15,000円)
「世界の都市総合力ランキング 2020」の調査方法、今年の結果の分析、都市別のデータ、指標の定義や出典などの詳細は本書をお求めください。
「世界の都市総合力ランキング(GPCI)」に関するお問い合わせは iusall@mori-m-foundation.or.jp まで
世界の都市総合力ランキングの詳細な調査結果は、概要版およびYEARBOOKをご覧ください。概要版は、下記よりPDFのダウンロードが可能です。YEARBOOKは、GPCIの調査方法、データ・ソース一覧、各都市のスコア・順位の分析などを掲載しています。