発行日:2011年7月
構成:80ページ・A4
言語:日本語
書籍版:定価 本体2,000円+税
ISBN 978-4-905249-02-3
森記念財団 都市戦略研究所は、世界の主要都市の持つ総合力について調査を行い「世界の都市総合力ランキング Global Power City Index(GPCI)」として2008年より発表しています。GPCIは世界のさまざまな規模の35都市について、69指標にもとづいた調査が行われていますが、そのスコアを見ると、必ずしも都市の規模がスコアに反映するとは限らないことに気が付きます。顕著なのはパリ市で、人口2百万人程度でありながら、総合で3位を獲得しています。さらに、いくつかの指標を詳しく調べると、極めて高い割合で都市の中心の限られたゾーンに主要な機能が集中していることがわかります。そのゾーンとは、いわゆる都心 = Inner Cityと呼ばれるゾーンです。実のところ、パリ市は全てが都心であると言っても良いでしょう。
このような考えのもと、本調査はパリ市の規模とほぼ等しい「半径5km」ゾーン(5km圏)を「都心」と定義して調査・比較し、それぞれの「都心のパワー」を明らかにしようとするものです。さらに、20世紀以降多くの大都市に見られる「都市の多極化 = Polycentrism」を見据え、その要素を包含すると考えられる「半径10km」ゾーン(10Km圏)についても同様に調査・比較し、都心及び都心に準ずるゾーンにどのような都市力のウェイト配分がなされているのかを把握することを目指しています。
近年、「ニューアーバニズム」や「コンパクト・シティ」などのキーワードのもと、都心に都市機能を高度に集約させ、環境負荷の小さい都市づくりを行おうという動きが世界的に拡大しています。Global Power Inner City Index(GPICI)は、GPCIの調査対象都市群(世界の主要35都市)から選定したパリ市を含む8都市の「都心」が持つ力をビジュアルに表現し、それぞれの特性や課題を明らかにしていくものです。