慶應義塾大学名誉教授
森記念財団都市戦略研究所所長
アカデミーヒルズ理事長
未来東京セッションは、森記念財団都市戦略研究所が進める東京の都市戦略プロジェクト、「TOKYO 2035」の中間地点に位置する。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定が非常に強い改革へのモメンタムとなって、2020年に向けて現在、様々なプロジェクトが進行している。しかし、我々にとってより重要なのは、その先の未来を思い描くことである。そこで、当セッションでは、20年後の2035年に焦点を当てつつ、ブレインストーミングという手法で、会場の皆さんも交えながらインタラクティブな議論をすることを試みたい。今回のセッションは、何らかの結論を求めるものではなく、理想的かつ現実的な未来の姿を想像しながら、クリエイティブな議論をすることで、参加者同士でインスパイアし合うことを目標にしている。
森記念財団都市戦略研究所は、2011年に「東京未来シナリオ2035」を発表した。そこでは「シナリオ分析」の手法を用いて、東京において起こり得る未来を「豪雨シナリオ」から「青空シナリオ」まで、4つのシナリオとしてまとめ上げた。その後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことで、東京の都市再生やインフラ整備が加速化するなど、東京が再び大きく変わろうとしている。また、人工知能やロボティックス、シェアリング・エコノミーといった科学技術の進化や価値観の変化なども起こっている。そこで、青空シナリオをベースに、20年後の東京のライフスタイルはどのようになっているのかについて調査・研究するために「TOKYO2035有識者委員会」を立ち上げ、「Future Living」、「Future Work」、「Future Mobility」、「Future Entertainment」という4つのテーマについて議論を重ねてきた。本日の「未来東京セッション:TOKYO2035」は、それらの4つのテーマについて、リソースパーソンの議論に参加者も加わりながら、20年後の東京に住む人々のライフスタイルについて議論することで、未来に対する想像力を膨らませることを目的としている。