東京中心部における再開発の研究
発行日:2004年3月
言語:日本語
書籍版:1,100円(本体価格1,000円+税)
東京は、江戸時代には掘割が縦横に走り、隅田川などの河川沿いが庶民の憩いの場となっていた水の都であった。それが明治以降の近代化、 特に戦後の高度成長期に、水辺はどんどん埋め立てられて、工場用地や港湾施設、生活の裏方であるゴミ処理場、下水処理場、発電所などによって埋め尽くされ、水辺は市民の生活から切り離された。 広大で波穏やかな東京湾に面しながら、水辺の魅力が何もない都市となってしまった。
環境を重視する時代となった今、東京湾の水辺地帯を魅力ある市街地に作り変えることにより、市民の日常生活の場としてもう一度取り戻す事が必要ではないか。そうすることによって、水辺の魅力を備えた 市街地も持つ事になり、東京における生活の選択肢が大いに広がることになる。市街地の前後にずっと広がる水面と豊かな緑、そして水辺で楽しむ人々と浮かぶ船上で楽しむ人々、こうした光景を地方の中小都市や、海外の都市だけのものではなく、東京の臨海部において作り出してみたい、そういう思いで作成したのがこの構想である。