目的

森記念財団都市戦略研究所は、「日本の都市特性評価 （JPC）」を通じて、日本の主要都市が有する強みや魅力といった都市特性を明らかにしている。一方で、それらの都市の居住者が、居住都市に対してどのようなイメージを抱いているのかは明らかにされていない。そこで、当特集研究では、アンケート調査を通じて居住者が抱いている「都市のイメージ」を単語や文章として引き出し、それらを多角的な視点で計量分析・可視化することで、今後の各都市のイメージブランディング戦略に資することを目的とする。

居住者アンケート調査

回答者: JPC-2022対象161都市に居住の20歳以上の男女
有効回収数: 各都市300人
質問項目：「あなたが居住している都市のイメージを、単語もしくは数行の文章でお答えください。」

分析方法

• 分析1. トップ10 イメージキーワード（出現頻度集計）

  アンケートの回答から得られた文章に対して、単語としての意味を持つ最小の単位にまで分解し、解析した上で、各都市において出現頻度の高いキーワードの上位10単語を抽出した。

• 分析2. イメージキーワードの関係性（共起ネットワーク分析）

  分析1で形態素解析を行ったデータに対して、各都市で出現頻度が5回以上の単語のみを対象として、共起ネットワーク分析を行い、共起の程度が強い単語同士を線で結んだネットワークを描画した。

• 分析3. 都市ごとのイメージの特徴（特徴語抽出）

  分析2で用いたキーワードデータに対して、「居住都市」を外部変数とした上でテキスト間の類似度を測定し、各都市を特徴づけるキーワードのうちの上位10単語を抽出した。

• 分析4. 都市間のイメージの類似性（居住都市とキーワードの共起ネットワーク分析）

  分析2で用いた対象全都市のキーワードデータに対して、「居住都市」を外部変数とした上で共起ネットワーク分析を行い、都市とキーワードの共起の度合いにもとづくネットワーク図を描画した。