市街地環境整備の制度・手法に関する研究

都心住宅政策に関する基礎的研究

発行日:1991年8月
言語:日本語
書籍版:1,650円(本体価格1,500円+税)

日本の大都市、特に東京では、都市の再開発とは、既にある密度で建て詰まっている市街地の限られた部分を意図的に(計画的に)地区毎に建て替え(狭義の再開発)、修復、保全するという欧米型の再開発(いわゆる、都市のリニューアル)ではなく、例えば港区の中で地域全体の建て替え、土地利用の高度化をどう誘導するかという問題である。
都心居住問題は、いわゆる都心過疎問題として取り上げられ、従って比較的冷淡な扱いを受け続けていたけれども、地価の高騰、社会的問題にまでなった地上げなどによって、一気に住宅問題、都市問題としてのより包括的な扱いを受けるようになり、社会的関心も非常に高くなった。これを受け、この制度研究会でも、港区を対象に徹底的な現実分析を踏まえて、問題の所在、この問題を取り上げる姿勢、問題の背後にある土地、住宅市場のマクロ的、ミクロ的解析、都市計画や住宅計画の論理など様々な問題が議論された。
 この報告の特徴は、住宅、都市問題を経済的、社会的過程の一部ととらえ、経済的、社会的メカニズムの理解のうえで、区民や民間企業が港区を再開発していくエネルギーをいかに誘導して、望ましい都市像や、住宅供給、特に都心にとってのアフォーダブルな住宅供給を達成できるかを論じたところにある。