市街地環境整備の制度・手法に関する研究

現代社会に相応しい都市計画・建築制度のあり方-2-生活都市計画の創造に向けて 安全で快適な街づくり

発行日:1996年9月
言語:日本語
書籍版:1,100円(本体価格1,000円+税)

阪神・淡路大震災が発生し、今後の生活都市計画を考える上で深刻な反省が必要になるかも知れないという危惧の下に、 別途、防災に強い都市についての十分な議論を行った上で急いで結論をまとめることにした。
一年間にわたるその議論の結論がこの報告書である。
結局、「現代社会に相応しい都市計画・建築制度のあり方、その1」の中で、地区計画制度の強化として論じた部分を一部補強する形で、現行の制度、体制、経験に即しつつ、 もう一度、特に都市防災という観点を強調する形でケーススタディを踏まえながら、現実的にどんなことが可能なのかを追求することになった。
しかしこの報告書は、防災という観点を強調しつつも、地区計画制度の展開のための諸問題をさらに突っ込んだ形で提示することになった。私たちは現在の都市計画、建築行政の下でも、大都市の災害に弱い、危険な地域では、ここに例示してあるような選択肢を住民に提示し、生活都市計画を飛躍的に充実させることが、 阪神・淡路大震災の経験を踏まえた政府、行政の責任であると考えている。
都市大災害の基本的原因は、戦後50年を経ながらも、「都市の近代化」が一向に進んでいないところにある。私たちが考えていた「都市の近代化」像が都市居住者にとって 基本的に受け入れがたいものだったのかどうか、そうだとしたら、私達は従来の都市住宅像ではない代案を提供すべきだ。しかし都市の近代化が今や大多数の人々の支持を受けうる時代に到達 したのかもしれない。バブル経済、花見酒経済の崩壊によって、都市居住の現実的可能性も出てきている。私たちは初心に帰って、都市の近代化を推進するための具体的方策を考え、 それを実現するための組織、制度などを改めて創り出さなければならない時節が到来したと考えるべきではないだろうか。