文化都心構想

東京中心地域の新しい都市像

発行日:1991年3月
言語:日本語
書籍版:1,650円(本体価格1,500円+税)

日本人の持つニューヨーク像というのは、パークアベニューやセントラルパーク、グリニッジビレッジ、ソーホーなどのマンハッタン島のきわめて限られた場所である。
ところで、普通の人がニューヨークに行ってみたいと感じるのは、文化的な街並みや機能そして刺激といった、文化を創りだす空間がマンハッタンの一部にあるからだと思う。 このことは、パリについても言える。もしパリに感動を覚えるような通りと建物の組み合わせがなければ、芸術運動もすぐれた芸術作品やファッションも生まれなかったのかも知れない。 この世界を代表する2つの都市の持つ価値は何かと言うと、それは歴史の重みや文化的雰囲気を創りだしている街並みであると思う。
そういう街並みが東京の中にあるかと言うと、残念なことだが、まだ東京にはそれだけのものが創られていない。しかし、東京には、パリにはない経済的な力強さがある。 その経済力をうまく使えば、パリとは別の意味で、新しい歴史のにおいがにじみ出てくるような街づくりができると思う。
 東京文化というと、とかく薄っぺらに認識されるきらいがある。しかし、これから10年、20年経ったときにニューヨークやパリと並び称されるようなアッパータウン、山の手型の東京文化が創られる、 そういう都市空間の創り方を考えてみた。